くらげーむ

やったゲームの話をします

【春ゆきてレトロチカ】ネタバレ厳禁に大納得の探偵体験ゲーム

www.jp.square-enix.com

ジャンル ADV
プレイ環境 PS4
知ったきっかけ ニンテンドーダイレクト後のゲームメディア紹介記事
購入の流れ RTで流れてきた感想ニコマ漫画見て発売になってたことを知る
レビューをいくつか見てから購入

推理ってこういう風にやるのか!」ということを教えてくれた本格ミステリADV
元々映像と音楽のレトロ感良い~くらいの興味度で購入したら大変なことになりました。
生まれてはじめて自力で犯人と動機を当てた!
以来売れてほしすぎて回し者になっています。レトロチカ屍人です。ちょっとでも興味を持った人、本当に買ってほしい。

Switch・PS4/PS5・Steam対応です。スマホアプリ版も出ました!!アプリ版ちょっと安い。
体験版もありますのでよろしくお願いします。
まずはPVから。
www.youtube.com

このゲームをおすすめする人と向いてないかもの人

今回は全力で販促をしていくので購入検討の人が気になりそうな話から書いていきます。

  • おすすめする人
    • 犯人当てにはちょっと挑戦するけどだいたい外す人
    • 伏線探しながら読むけどまんまと騙されてびっくりしがちな人
    • ほどよく頭使えてほどよいプレイ時間で終わるゲーム探してる人
    • 情緒的でしっとりした雰囲気の物語が好きな人
    • 「不老になった人間の苦しみ」というフレーズにピンとくる人
    • 大正・昭和レトロ風映像&ミステリっぽい音楽に惹かれる人
    • 好きな役者さんが出てる人
  • 向いてないかもの人
    • 推理にすごく自信のある人
    • 少しでも強引と感じる描写があると気になってしまう人
    • オカルトファンタジー要素(不老)が好きではない人
    • 推理は好きでも探索と暗号解読は面倒と思う人

ミステリの難易度としては超難問ではなく、ド素人の自分でもパーフェクトを取れた章がある程度に親切です。謎が簡単というわけではなくシステムを使って丁寧に推理の補助線を引いてくれるためです。なので普段全然トリックも犯人も動機も言い当てられないようなプレイヤーでも全ての謎を見通す経験ができます。できました。実話です。逆に言えば、システムの手助けがなくとも問題編の映像だけで見抜けてしまうような上級者の人には丁寧な推理パートの作業が本当にただの作業になってしまい、時間を取って退屈になる可能性があります。推理小説の犯人当てなんかには太刀打ちできないけど推理系ADVでちょっとした謎解きを当てるくらいならできるし好きという人が一番楽しめる難易度ではないかと思います。

公式サイトより推理編の画面

物語は「人を不老にする実を巡る、四十間一族百年を辿る歴史」と神秘的な内容。調度品や衣装も大正~昭和のパートはレトロ感たっぷり、音楽は貫禄のあるいかにもミステリアスなメロディ。このあたりの要素が好きな人は推理に興味なくても映像作品として触れてほしいくらい良いです。ゲームオーバーもないし(訂正:誤答=ゲームオーバーですが間違ったところから即リスタートです)総当たりでも先に進めるのでなんの障害もありません。ゲームオーバー映像も大変愉快なので誤答しても全く損しないです。
ミステリにファンタジー要素混ざるのが嫌という方にはオススメできないかもしれません。登場人物の中に不老の人間が本当に居るストーリーです。ただし、不老であることは事件のトリックには関係しません。

公式サイトより問題編の映像 もうこれ見ただけで好きってなったもん

役者さんたちの演技も本当に良く、普段ほとんど実写映像作品や舞台を見ない私でも良いなあと思いました。好きな役者さんが出演されているなら触れて損ないと思うのですがどうでしょうか。


宝塚OGの真飛聖さんも居ます。出番しっかりあります。
ヅカファンの友がこの情報で買ってくれたので……。

物語の本筋については各章で核心的な真実についての伏線がいくつも散りばめられており、最後に全て種明かしがあります。私はあの映像この映像どれも全部しっかり見覚えがあるのにすっかり流してしまっており完全にしてやられて天井を仰ぎました(比喩でなく本当にやりました。)それに対して、各事件のトリックや犯人を追い詰める際のロジックには若干強引かなという箇所もあるらしいです。(私は全然そんなこと気にする余裕がなくずっと映像にやられて口半開きでした。)そういう部分が大きくマイナスになる方はあまり向いていないかもしれません。

それから、一部通常の推理ではなくちょっとした脱出ゲームになるパートがあります。周囲のオブジェクトにアクセスしつつ集まった情報で暗号解読をするオーソドックスかつ小規模なものです。そんなに難しいものではなかったですが、正直推理体験にドハマリしたのでこのパートも推理に当ててほしかったなー! という気持ちが私にもちょっとあります。ただ話の流れとしては良いアクセントになっている部分でもあり、既にもう先の展開が気になって仕方ない状態になっているので手を止めるということはありませんでした。

以上、おすすめの項目に複数覚えのある人は本当にプレイしてほしいです。

探偵気分を味わうという体験

こちらの後半インタビューにそのまま書いてありました。
nlab.itmedia.co.jp

伊東:目指した難度のラインは「難しくしすぎず、そのうえでミステリ初心者も玄人も“解く”ことの充実感を得られる」というものです。今回のチームなら、ミステリ好きの方に向けて、難度を極めて高いものにするということもできました。それこそ「正解率1%」みたいなものも作れたかもしれません。でも、今回はそういう道は選ばず、正解率は高めで、それでいて心に残るものを目指しました。探偵気分を味わってもらえて、自分が謎を解いたという充実感を大事にしたんです。成功しているかは分かりませんが、いろいろな方に楽しんでもらえているならうれしいですね。

大成功しています。
少なくともここに一人! でももっと居ると思います同じ人。

私はあまりたくさん推理系のADVをやってきているわけではなく、しっかりプレイしたのは逆転裁判だけだと思います。逆転裁判にしろ他の同系統ADVにしろ、私の知っている範疇では回答する場面=操作する場面で考えて正解を選ぶのが当たり前の遊び方でした。でもこのゲームの遊び方はそうではありません。

このゲームでは、推理編に入った時点で

  • 誰がやったか(犯人)
  • どのようにしてやったか(方法)
  • 何故やったか(動機)

全て推理し終えてから回答編に移るのが正解です。

「犯人分かってないけど回答編で考えればいいや」とやると後悔します。そのスタイルで行くと問題数が少なすぎるのです。回答選択肢も最大五つ程度しかないため総当たりも容易です。推理を楽しみたいなら絶対に自分自身が【見えた】と思うまで「完了」を選択してはいけない。

この作品は全てを見通した探偵がみなを集めて推理を披露するアレを自分自身が体験するゲームなんです。それを理解せずに進めてしまった2章までと、自分なりの答えを用意してから進めた3章以降ではまるで違うゲームと思うほど差がありました。

操作=遊びという感覚で行くと「何が楽しいんじゃこの絵合わせパズルは!」という感想になってしまうと思います。何故ならそれ自体は本当にただの作業だからです。(だからこれがなくても真相に気づける人は多分退屈)パネルはめや推理のまとめの部分は「ゲーム」ではなく、本当にプレイヤーに推理させるための補助をしてくれるだけの情報整理ツールなんです。楽しいのは仮説を並べて謎を行ったり来たりして、時にはムービーを再確認して「自分で真相を考える」こと。仮説にアレっとなって、筋を考え直して、確かめるためにムービー見て。怪しげだと思った手がかりでも仮説を検討してみるとアホらしすぎて無関係なんだな、と気づいたり、怪しげだけど今見えている謎とは直接関係がなく一覧に残ったままになる手がかりも引っかかる。色々考え直してからもう一度ムービーを見ると拾えていなかった表情の変化や些細なセリフに気がつく。

「分かっちゃった!!」という感動。

私は最初に貼ったインタビューで意図されていたまさにその通りの楽しみ方ができたのだと思います。幸せなプレイヤーです。本当にありがとうレトロチカ。

これがこのゲームの芯になる遊び、メインディッシュであるために、だからこそネタバレは絶対に厳禁です。「自力で気づいた!」という経験がなくなってしまうとこのゲームの面白さのほとんど全部を失ってしまう! だからどうかお願いです、このゲームが気になっている人は本当にうっかりネタバレを踏まないうちにプレイしてください。

UIは今一つだった(過去形)

私がプレイした当初、UIにはちょっと困った点がいくつかありました。
不満点のほぼすべては推理編のUIに集中。「論理の路」という疑問点が順番に並ぶ筋を上下に行ったり来たりしつつ、手がかりパネルを右から掴んではめていくという手順で仮説を作り上げていくのですが、なぜかパネルをR2押し込みで掴み続けながら、Rスティックで移動する(PS版)という独特すぎる操作になっていました。普通移動ってLスティックじゃないの!? その上カーソルの速度がゆるゆるゆったりもったり。結果、右親指の付け根のあたりがひきつった感じになりました。使ったことない筋肉使ったよ。しかもパネルをはめる当たり判定がやたらと狭く、きっちりはめてからR2外さないとパネルが元気よく元の位置に帰っていくというやんちゃな仕様でした。

ですが辛いなーと思っていたこれらの問題点、


このアップデートで一掃されました。
パネル移動スティックはLに変更可、当たり判定も広がり、カーソル速度も調整可能に。長いと言われていた仮説再現演出もテキストスキップ可能で周回性が上がり、パネルの模様(ヒント)を消すオプションがついて難易度変更もできるように。パネルの模様なしだと謎に対応する手がかりを考えるところから自力になるのでグッと手ごたえ上がると思います。もう怖いものなしじゃん……これでPC環境以外の人にも躊躇なくお勧めできます。

その他の部分、特に映像を閲覧している最中のUIは大変快適です。
映像を止めずに並行して人物紹介や入手した手がかりを閲覧できたり、10秒スキップ&戻し完備だったり、推理編から問題編の映像をシーンごとに選んで再生できるようになっていたり。デザインもレトロな感じで統一されており、SEも鈴や、カーンという木の音(あれなんて名前の楽器なんでしょうか、多分零の決定音とかと同じやつ……同じなので最初ちょっとビビった)が聞こえて雰囲気が良い。

また日本語字幕のオンオフ色覚多様性対応も搭載されています。日本語字幕のフォントも映画の字幕っぽいやつで気分が上がる。私はずっと表示してやっていました。

推理画面がオシャレすぎて仮説がやや読み返しづらい点や、問題編の手がかりに△ボタンで反応する謎のQTE(ペナルティは皆無、パーフェクトでトロフィーが取れるだけ)など完璧とは言えない部分も残っていますが、プレイ体験を損なう致命的な問題は解決されているかなと思います。今からやる人いーなー。

体験版の問題点

と、ここまで良い調子だったのに後から問題も出てきてしまった。
1章終わりまで遊べる体験版が出たのですが、製品版にセーブデータを引き継げません。(2022年9月時点)本作未読スキップはできないため、製品版を買うと一から映像見直し、推理やり直しになります。

1章までがっつり入れたのは良いと思うんです、あの推理のやり方を体験できるので。でも1章やり終えて続きが見たい! と買ってくれた人はもうすぐ2章に入りたいに決まってるじゃないですかー! 体験版は製品版と違ってスクショ・配信可になっているため(これはありがたい)、内部的に違うところがあって引継ぎができない仕様になってしまったのかなとは思います。それでもだよ……。どうにも推理と映像鑑賞以外のUXに疎い感じがする制作陣です。今時序盤のストーリーがそのままプレイできるタイプの体験版で引継ぎできないやつ見た覚えがない。

そういうわけですので、もし「これはもう買いだな」と思ったらその時点で体験版を切り上げて購入していただくことをお勧めします

この項目に全部訂正線を引ける日を心待ちにしております。いくらでも宣伝するから布教しやすくして、お願い!

【追記】
ガイドライン改定されて、4章リザルト画面までは本編も配信可になりました。いいですね!
できれば体験版のセーブデータ引継ぎもそのうちどうにかしてください。

購入を決意してくださった方へ

もし居たらこれだけ覚えていてください。

エンドロールを見た後、終章への道が開かれています。
必ず見てください。

わざとなんだとは思いますが本当に気が付きにくく、これで終わったと勘違いしたままやめてしまったプレイヤーが少なくなかったらしいという曰くつき。伏線の大半はここで回収されるので忘れずに見てください。お願いします。

まとめ

まとめの項目作ってみたけど正直もう言うことが思いつかない。推しゲームです。今年一番の作品になるかもしれない。しいていうならネタバレ厳禁のために感想を吸ったり吐いたりしづらいことが難点です!

この記事を読んでくださったクリア済みで他人の感想吸いたい方向けにパスワードつきの感想文を置いておきます。この記事の10倍くらいテンション高いけどよかったらどうぞ。パスワードは終章をやっていれば分かります。
https://privatter.net/p/8878385

ところでインタビューにこんなことが書いてあったのですが……

江原:いろいろな人に楽しんでもらえるミステリアドベンチャーを目指しました。ぜひ、手に取って遊んでみてください。また、本作を買ってくれた方は、ネタバレせずに面白さをいろいろな人に伝えてくれるとうれしいです。次回作を出すにはまだ結果が足りていないので、ぜひ新品かダウンロード版で購入お願いします(笑)。

嘘でしょ!?
嫌だ困ります次回作ほしいですやりたいですー!!売れてくれ!!
ミステリ好きな人はもちろん、好きな役者さんが出てる人、大正レトロ風映像に惹かれる人、ほどよく頭使えてほどよいプレイ時間で終わるゲーム探してる人、もう何でもいいので買ってやってほしいです。出荷本数にカウントされる方法で……切によろしくお願いします。

store-jp.nintendo.com
store.playstation.com
store.steampowered.com

スマホでもできます!! 3000円とコンソール版よりだいぶお安い。何故?

apps.apple.com
play.google.com
Android版のページヘッダーPCブラウザから見たらびっくりした。

記事中の画像について、

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これ表記したら公式サイトの内容そのまま使っていいよって書いてあったのでありがたく貼らせてもらいました。スクショ禁止なものだから大変助かります。
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