くらげーむ

やったゲームの話をします

【Unpacking】無心の開梱作業と想像する楽しみ

store-jp.nintendo.com

ジャンル シミュレーション・ADV
プレイ環境 Switch
知ったきっかけ 2022年末インディーセール一覧にあった。
購入の流れ 何か短編のゲームやりたかったので。安いし評判良いしで購入。

箱から飛び出るブタちゃんぬいが印象強いゲーム。
各ストアの紹介ではシミュレーションカテゴリのようですが、個人的にADVと感じたのでADVタグに放り込みます。パズルとも表現されてますが、あくまでお片付けなので決まった正解も成功もない感じ。ただ変なとこに変なものおかなければそれでよし。
他にあまりない感じのプレイ感かつ、ちょうどほしかった程度のボリュームだったので満足しました。

ひたすら無心で開梱作業

Unpacking、すなわち荷解き。積まれた段ボールを突いたらガサっという音と共に荷物が飛び出してくるので、それを適当な棚とかに置きます。すると響くゴトッとかいう何かリアルな音。その瞬間に「あ、これ気持ちいいやつ!」となりました。整理整頓お片付け、現実では体力が要るので大嫌いですがデジタル整理は別です。デスクトップのアイコン綺麗に並べたりDLソフトのフォルダ分けしたりするのは大好き。体力さえ要求されなければきちっと並べるというのは気持ちいいものです。お片付けの楽しいとこだけできるー!

からしゅぽっ、ガサッ、と音を立てて物を取り出してはガンガン配置していきます。ひたすらその作業の繰り返し。同じ種類のお皿をカチャカチャ積み上げたり、本をどかどか並べて本棚がびっちり詰まっていったりする様がすっきり爽快。癒されます。梱包材を固めて捨てる作業とか空になった段ボール処分する作業とかはない。楽しいとこだけできる~~~!(2回目)段ボールタワーを切り崩して最後の一つがポンと消滅した瞬間の気持ち良さったらないです。

無心とは言ったものの全く何も考えずにプレイできるというわけではなく、収まるべきところに収まるように調整しないといけない場面がちらほらありました。多分そうなるように仕組んであるんですが、ほいほい調子よく引き出しに物詰め終わった後になってから「これの方がそこに入れたいじゃん!」みたいなやつが箱から出現することしばしば。いやリアルだけども。でも不快とかストレスとかではなくて笑っちゃう感じでした。

時々「服に紛れてリングノート出てくる」だとかいうことも起こっておかしい。シャンプー、リンス、石鹸、タオル! と調子よく並べてたところで次に掴み取ったのがフライパン。どういうことなの。入れ忘れを突っ込んだとか他に入る箱なくなっちゃったとかなんでしょうか。予測不可能な物が飛び出てくるのビックリ箱みたいで笑っちゃいます。でもバスルームの箱にフライパンは衛生的に若干どうかと思うな!

フライパン in バスルーム

終盤は部屋数も増えて物量がすごいことになり、集中してやっているとさすがにちょっと疲れます。そんな中一回ソフトがエラー終了してしまい進捗が半分ほど吹っ飛びました。オートセーブっぽいんですがそんなに頻繁にセーブしてくれてなかったみたいで……凹んだ。メニューからアルバムに戻るを選択すればおそらくセーブされるんじゃないかなという感じなので、一部屋終わるごとに念のためアルバムに戻る操作をした方がいいと思います。綺麗に並べたのに悲しい。

アイテム図鑑がほしい

本当に隅から隅までびっしり物に溢れています。どれもが繊細なドットで描かれていて見応えがすごい。しかし主人公が海外の人で(どうやらユダヤ教徒の人らしい)、生活雑貨は何だか分からんものが結構ありました。ゲーム機とゲームソフトはよく分かるけどね!

ただ、物が分からないということはパズル的に楽しい要素でもあります。キッチンの棚に収まるということは何かしらの調理器具なんだろう、とか想像して楽しむ。あと、自分が何だか分からんナニコレーとぼやきながらやっていたら横で見ていた母が「スケールじゃないの?」とか「そういうのは普通下の棚」とかズバズバ言ってきたので「おお……」となりました。得意分野のアイテムならすぐピンとくる。人とわいわい喋りながらやるのが楽しいゲームだなと思いました。ちらっと検索した感じ配信とかでも割と遊ばれてるようですね。分かる。

それでもやっぱりせっかく作り込まれたアイテムたちなので、最後まで正解が分からずに終わるのはなんだかもったいない気がする。検索すれば教えてくれてる人がいるアイテムもあるんですが、全部探すのはちょっと無理そう。みんなが引っかかってるユダヤ教関連のものとかは言及されてるものの、個人的にはバスルームに並べる箱類で分からないものが多くて気になる。ゲームソフトやDVDのパッケージもちゃんと元ネタがあるみたいだし、全部正面向けて並べたアイテム図鑑があったら楽しいだろうなあと夢想してしまいます。自分で作ってる人とか、居ないかな。

主人公の人生

荷解きを通して、自分とは違う誰かの人生を追体験していくというストーリーの語り方。ファンタジー要素はなくリアルな世界なのでプレイヤーによっては境遇が違いすぎて主人公になりきるのは難しいかと思います。追体験とは言ったものの、人の身の上話を聞いてるぐらいの距離感か。おおむね同世代の女の子(しかもゲーマー)が主人公だったので私としては親近感があって楽しかったです。

ということで、せっかくなので自分がプレイしていて想像したことをメモしておきます。
ネタバレ注意。スクショ貼っていきます。

【1997年】
主人公はどうやらサッカーとお絵描きとゲームが好きな女の子。最初のシーンは家族で新しい家に引っ越してきて、初めて自分用の子ども部屋をもらったところからスタート。サッカーは強かったらしく、優勝トロフィーっぽいものがありました。縄跳びもあるし、運動神経良さそう。でもお絵描き道具がもっちゃり出てきてゲームボーイもしっかり持参とインドア趣味もある。充実しています。鍵つきの日記帳が出てきて、これは今後も毎回どこかに隠していく感じか? と予想していたけどこの回きりでした。日記っぽく見えるノートはこれ以降出てこなかったと思うので、さては日記続かないタイプだな。

引き出しに鍵つき秘密日記

【2004年】
大学入学、下宿一人暮らし。どでかいモニターのデスクトップPCが机に鎮座。サッカーボールが薄汚れてて、ずっと使っていたらしい。物持ちがいいですね。色鉛筆っぽい箱に加えて何か透明なケース入りの画材っぽいものが増えたんですがこれが何だかいまいち分かりませんでした。コピック的なやつなのかな(これ後のシーンで更に数が増えていく)。バスルームの箱からフライパンが出てくる問題のシーンはここです。「自炊しなきゃダメ?」とコメントが出るので調理器具には関心が低いのかもしれない。

下宿っぽさある

【2007年】
シェアハウス。元から設置されてる物はおそらく同居人たちの私物。リビングにどう見てもセーラーヴィーナスの作りかけ衣装とミシンがあります。レイヤーが居る。ダイニングにも趣味用品が溢れかえっていて、フィギュアとかが飾られまくっています。ここテーブルの上にキャラシートとダイスが転がってるらしくみんなでTRPGやってるそうです。TRPGはやってないから分からなかった。ともかく、趣味の合う仲間とシェアハウスということですね。いいなー。サッカーボールは持ち込まなかったようでインドア趣味に振り切った模様。

数が増えてるコピック?らしきもの

【2010年】
彼氏の家に同居することになったらしい。既に物パンパンに詰まってて彼女の物置くスペース全然ないんですが……。PCがノートになったけど広げて使うところなくない? あれこれNG出されまくって最終的にアイランドキッチンの隅に収まりました。タブレットも持ってきてるけどお絵描き出来ないでしょこれ、となる狭さ。ずっとある賞状入りの額縁も飾るところがなくて持ったままうろちょろしました。クローゼットの中に放り込むので正解だったらしい。なんかイヤな感じ。プレイした人だいたいここ引っかかるようで探したらこの辺の感想たくさん出てきました。賞状飾らせてもらえないの何か、ねえ。

ここしかPC広げられそうなテーブルがない

【2012年】
と、思ったら案の定別れて実家に帰ってきました。彼氏との写真を何も考えずコルクボードに貼っていたらNGに。見たくないからどっかに仕舞えということらしいです。でも捨てはしないんだな、思い出だから……と思っていたんですが、コルクボードに貼る時画鋲彼氏の顔にぶっ刺してると聞いて確認したら本当でした。じゃあ捨てなよ!? 忘れた方がいいと思うよ。昔はもっと広く感じた同じ子ども部屋ですがそれもそのはず、物めちゃめちゃ増えましたね。時の流れを感じられて好きなステージです。あとこのシーンからウクレレが増えました。昔から音楽はよく聞いてる感じでしたがここに来て演奏も始めたらしい。

物の量が違う

【2013年】
古びた感じのアパート? で再度一人暮らし。コメントとか見る感じどうも一人暮らしなんですが、玄関の傘立てに突如が登場して混乱しました。親と同居なのかと。そういうわけじゃないらしいので本人の持ち物のようです。足悪くなっちゃったんでしょうか。途中からサッカーボールなくなったのも趣味の変遷だけじゃなくて負傷したからとか? この辺り杖以外にヒントになりそうな物がないので気になります。あとキッチンにどうにも醤油にしか見えない小瓶が登場してくるんですがこれ醤油でしょうか。

醤油だよね??

【2015年】
同居人追加。最初は新しく人が入ってきたとよく分かってなくて本人の荷物がまた増えたのかと思ってました。新しい服とか小物とかも女性の物っぽかったので……単純に女性のパートナーが増えたというだけだった。冷蔵庫に貼った写真に写ってましたね。キッチン用品の箱を開けると突然せいろが出てきてどうした、中華料理にハマったんか? それともパートナーがアジア人? と思っていたら新顔のマグネットたちがよく見ると「ABC」ではなく「AIUEO」になっている。炊飯器にしか見えない家電も増えた。パートナー日本人の可能性高そうです。2013年の醤油加入はこの人がきっかけだったりするのだろうか。マグネット大量持ち込みとかゲームソフト増やしたりとかの辺りにだいぶ趣味の一致が見えます。良かったね。

せいろと醤油とAIUEO

【2018年】
一軒家に引っ越しました。ベビールームが増えていて子どもを迎えるようです。子どもに会うのが待ち遠しい、と言っていて産まれるとは言っていないので養子かな。主人公はブタさんの絵本か画集かを出版したようです。著者謹呈本っぽい同じ本の束が書斎に。機器類もグレードアップしてるしトロフィー類も増えてるしめちゃくちゃ成功している……。挫折はあったけど2012年の件くらいで後はずっと順風満帆に見えます。いいなあ。とはいえ、見えているのは引っ越し時の荷物の変遷だけなので、そこからは読み取れない苦労もあったのでしょう。昔から大事にし続けてる物の方が印象に残ってあれこれ考えがちですが、途中から無くなってしまった物の周辺には悲しい別れとかもあったのかもしれません。

立派になった書斎

まとめ

とにもかくにも整理整頓が楽しく、無心になれるゲームでした。ステージクリアした後に開放される片付け高速再生動画延々と見ていられます。気持ちいい。打楽器の演奏聞いてる気分になります。パカポコパカポコスタタタタ。こういうゲームがごろごろあるからインディーカテゴリは良いですね。

余談:どんどん増えまくるピヨちゃんズファミリー

最終的に棚を一つ占拠する大勢力となる